227系が投入される和歌山線で活躍する1区分1両の珍車(クハ104-551)
毎年、この時期になるとチェックしている車両があります。
吹田総合車両所日根野支所(近ヒネ)の113系2両編成(先頭車化改造車)です。
撮影時刻の関係で移動手段が実質的にクルマしかないので後回しにしてましたが、一昨年(2016年)からようやく重い腰を上げました。紀勢本線下津駅まで片道550kmのドライブですからね…
しかし、一昨年(2016年4月27日)は雨が降る直前で暗くなり過ぎたため、窓から漏れてくる明かりが眩しい写真しか撮れませんでした。その翌日に曇ってくれればよかったのですが、天気が悪くなってしまったため滞在を断念。
昨年(2017年5月10日)は、北近畿遠征の帰りに車中泊で寄りましたが、現地に着いたら晴れてしまい撃沈。しかも、まだ納車3ヶ月だったクルマを駅前のロータリーでぶつけてしまいました。高い修理費でも涙目…
このように近ヒネの113系2両編成には嫌われっぱなしですが、三度目の正直があるのではないかと、懲りずに今年も和歌山遠征に出掛けました。
でも、残念ながら今年も撮れませんでした。
絶好の形式写真日和の曇天のもと、満を持して三脚をセットしてカメラを構えましたが、下津駅に入線して来たのは代走の223系2500番代。
やっぱり、近ヒネの113系2両編成(先頭車化改造車)には縁がないようです…
このまま何も撮らずに引き返すわけにはいかなかったので、雑草が伸び始める前の五条駅に移動することにしました。
一昨年(2016年)と同じように紀勢本線(きのくに線)の105系をゆっくり撮るつもりでしたが、Twitter のタイムラインを調べてみると珍車 クハ104-551 を組み込むヒネSW010編成がやって来る可能性が高いことが分かりました。
ただ、近ヒネの105系は日ごろからチェックしているわけではないので、予想どおり目の前に来るか不安でした。
113系2両編成はダメでしたが、こちらは絶好の曇天のもとで撮れました。
以前から撮りたいと思っていた吹田総合車両所日根野支所新在家派出所(近ヒネ)の クハ104-551 です。
クハ104-551(近ヒネ) 2018年4月24日 五条駅
上の写真をクリックすると大きな写真が表示されます。
105系4ドア車(500番代)は新在家派出所(近ヒネ)に2両編成が19本配置されています。
クモハ105形はすべてモハ103形1000番代またはモハ102形1000番代からの先頭車化改造車の500番代で統一されていますが、クハ側は種車の関係でクハ103形からの改造車と先頭車化改造車の2種類に分かれています。
そのため105系のクハ(制御車)は、運転台付きのクハ103形を105系化したクハ105形、先頭車化改造車のクハ104形、というかたちで2つの形式に整理されています。
なお、この2つの形式はいずれも偶数向きに固定されています。
今回アップした クハ104-551 は モハ102-385 からの先頭車化改造車のためクハ104形を名乗っていますが、先頭部の形状そのものは元常磐緩行線・千代田線乗り入れ用のクハ103形1000番代とまったく同じです。
モハ102形を電装解除のうえ先頭車化したのならクモハ105形と同じ先頭部デザインですよね…
これは、ダンプカーとの踏切事故で側面衝突して廃車となった クハ105-7 の先頭部が流用され、種車 モハ102-385 に接合さたからです。
先頭部ブロックが接合された先頭車化改造車なので、“クハ104”。
でも、クハ104形500番代とは先頭部形状が異なるので、“+50”。
ということで、クハ104-551 となったようです。
しかも、改造時に分散式冷房装置(WAU102)を取り付けたので、ほかの105系4ドア車(500番代)とは異なる唯一無二の形状となりました。編成を組む クモハ105-517 は集中式冷房装置(AU75系)を搭載しているので、JR西日本らしい不思議な編成となりました。
このような クハ104-551 ですから、1区分1両の珍車となったのも無理のない話しです。
2019年春以降、近ヒネの105系が227系に置き替えられることがJR西日本から発表されました。
首都圏で馴染みのあった懐かしい顔の電車が見られるのもあと僅かです。
その中に1両だけ WAU102 を搭載した珍車がいるのを気にしてみては如何でしょうか?
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