美祢色なのに原形スカートを取り付けているキハ120形0番代(キハ120-17)
2023.08.24
前回、軽量気動車(NDCシリーズ)の第一世代にあたるJR九州のキハ125形0番代(キハ125-24)を採り上げましたので、今回も同じNDCシリーズ第一世代のJR西日本のキハ120形をアップしたいと思います。
美祢色のカラー帯を巻いたキハ120形0番代、下関総合車両所広島支所(広ヒロ→中ヒロ)の キハ120-17 です。
キハ120-17(中ヒロ) 2023年5月14日 備後落合駅
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JR西日本のキハ120形は、車体長が16m級とJR九州のキハ125形(0番代)の18m級に比べて約2m短く、前後の側ドアに路線バスのような折りドアを採用しているのが特徴です。
1992(平成4)年に製造された1次車(キハ120-201〜208)はキハ125形と同様にセミクロスシート配置の鋼製車体でしたが、翌1993(平成5)年から1996(平成8)年にかけてオールステンレス製車体の2・3次車が増備されました。
2次車の0番代(キハ120-1〜22)はオールロングシート配置となりましたが、3次車の300番代(キハ120-301〜359)はセミクロスシート配置に戻りました。
製造会社は本来の新潟鐵工所だけではなく、ノックダウン方式によりJR西日本の後藤車両所で落成した車両もあります。
写真の キハ120-17 は、1993(平成5)年6月に新潟鐵工所で製造されたオールロングシート車で、小郡運転区(1995年に山口鉄道部、2009年に下関総合車両所新山口支所へ組織変更)に配置されました。運用範囲は美祢線と山陰本線(長門市〜益田・長門市〜仙崎間)。
同区のキハ120形は青・ピンク・黒の3色からなる“美祢色”と呼ばれるカラー帯を巻いており、他区所のキハ120形から判別できるようになっていました。
小郡(山口)配置車はスノウプラウを装備していなかったので、2006(平成18)年ごろからスカートを下方に延長(強化)する工事が実施されました。しかし、キハ120-17・21 の2両は2014(平成26)年にスカートを原形に復元のうえ下関総合車両所広島支所に転属となりました。
現在、広島配置車の10両はおもに芸備線三次〜備後落合間と福塩線府中~三次間で使用されていますが、ロングシート車は キハ120-6・17・21 の3両のみです。
キハ120-6 は広島色ですので、美祢色は キハ120-17・21 の2両のみ。
下関総合車両所新山口支所(中クチ)に残っている美祢色の0番代(キハ120-9・10・18・19)はスカートが強化されているので、山陰遠征の際に備後落合駅で撮影した キハ120-17 は地味にレアな車両だったことになります。
とはいえ、JR西日本のキハ120形は配置区が多く、運用地区ごとに帯色が異なり、さらに3つの番代区分が共通で運用されているみたいなので、地味にレアな車両ばかりです。
あまり注目されていませんが、キハ120形は“沼”がかなり深いです。
一度踏み込むとハマりますので、こういう車両を追いかけるのは程々にして、あとは地元の鉄道ファンにお任せしたいと思います。
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