苗穂工場で廃車解体が始まった721系のF3016編成(クモハ721-3016)
ブログ“北海道鉄道情報局”による情報ですが、JR北海道の苗穂工場に長期間留置されていた721系のサウF3016編成の解体が始まったようです。
2022(令和4)年2月に策定された長期環境目標「JR北海道グループ カーボンニュートラル2050」の「3. 2030年度までの具体的な取り組み」項に、老朽化した721系を高効率機器(VVVF制御方式や回生ブレーキシステムなど)を採用した電車に更新する、と記載されていますので、これに沿った計画的な廃車解体だと思われます。
ただ、721系初期車の1〜4次車(0・3000番代)のうち1次車から順に運用から外れて廃車されるものと思っていたので、今回は少々ビックリしました。
国鉄分割民営化直後の1988(昭和63)年から製造された転換クロスシート付きの近郊形電車なので、当面廃車はないだろうと勝手に思っていましたが、JR世代の車両もいよいよ置き替えの時期なのですね…
F3016編成の3両はいずれも現役時代に撮影してましたので、今回は客室の一部に雪切室があるため窓割りが変則的になっている制御電動車の クモハ721-3016(札サウ)をアップしたいと思います。
クモハ721-3016(札サウ) 2015年11月18日 岩見沢駅
上の写真をクリックすると大きな写真が表示されます。
今回解体されたF3016編成は130km/h運転対応の3000番代を名乗っていますが、もともとは1989(平成元)年5月に東急車輛製造で新製された2次車のF16編成です。
ですので、車齢は34年でした。
主制御装置を搭載する奇数番号形式のクモハ721形(Mc)は札幌・小樽方に連結されています。
クモハ721形とユニットを組むモハ721形(M’)と偶数向きのクハ721形(T’c)は、偶数番号形式ではなく末尾“1”の奇数番号形式を名乗っています。
3両編成しか存在しなかった時代はまったく問題ありませんでした。
が、6両編成を増備したときにパンタグラフなしの中間電動車“モハ”を投入し、このときに偶数番号形式と偶数番号形式がゴチャゴチャになってしまったため理解不能な形式が生まれてしまいました。
この問題は書き出すと長くなるので、別の機会に整理したいと思います。
話を戻します〜
721系は最高速度を120km/hとして設計されましたが、新千歳空港アクセスの快速「エアポート」の最高速度が2002(平成14)年3月に130km/hへ引き上げられるため、130km/h運転に対応するための各種改造工事が実施されました。
3両編成についてはF15〜F21編成の7本が130km/h対応に改造され、側窓のポリカーボネート化やブレーキ装置の強化、前照灯のHID化、自動放送装置の取り付けなどが行われ、車両番号も3000番代に改番されました(→F3015〜F3021編成)。
しかし、快速「エアポート」に充当されたのは721系1000番代を6両編成化した4X00・5X00番代が出揃うまでの短期間だけ。
2004(平成16)年3月改正からは未改造の0番代とともにローカル運用に転用され、老朽化していた711系の一部を置き替えました。
国鉄/JRグループとしては3扉転換クロスシート車のパイオニアだった721系。
函館本線岩見沢〜旭川間に737系が近いうちに投入され、初期車を中心に余剰車が発生すると思われます。
今なら様々なバリエーションの721系が見られますので、形式写真だけでなく室内写真やパーツ写真などをたくさん撮っていこうと考えております。
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