富山・高岡地区で活躍する元除雪車のDE10形3500番代(DE10 3511)
この3連休のうち後半2日間ほどは富山地区に遠征に行ってまいりました。
今回のメインは681・683系と北陸地域色(青色)の413・475系でしたが、ず〜っと前から撮りたいと思っていた元除雪車DE15形のDE10形3500番代が撮れましたので、今回は東新潟機関区(東新)の DE10 3511(元DE15 1539)をアップしたいと思います。
DE10 3511(東新) 2014年11月3日 速星駅
上の写真をクリックすると大きな写真が表示されます。
富山・高岡地区にはDE10形が牽引する貨物列車が氷見線と城端線、高山本線に設定されています。このうち、氷見線と城端線についてはJR西日本に委託されていたため富山地域鉄道部(富)のDE10形が貨物列車を牽引していましたが、2013(平成25)年3月改正に委託が解消されて富山・高岡地区の貨物列車がすべてJR貨物東新潟機関区(東新)のDE10形に切り替わりました。
そのため、JR西日本時代は国鉄色100%であった高岡地区に更新色のDE10形が入るようになり、国鉄風の貨物列車がなくなるのではと危惧されました。
でも、ここで運用されている富山運転センター常駐車(2014年3月までは高岡運転派出に常駐)は未更新機のDE10形3500番代が入ることが多いので、今でも国鉄時代を想わせるDE10形が大活躍しています。
東新潟機関区(東新)にはDE10形が12両配置されていますが、そのうち DE10 3501・3505・3506・3507・3511・3513 の6両はDE10形3500番代です。
DE10形3500番代はJR東日本から購入した除雪用ディーゼル機関車DE15形を整備し直したもので、2009(平成21)年に登場したDE10形の新区分です。
種車時代はいろいろな区分が存在したDE15形でしたが、JR貨物ではDE10形に編入する際に3000番代と3500番代に整理しました。
ここで種車のDE15形について少しだけ触れますが、DE15形は装備しているラッセル部分(前頭車)の種類などにより 0・1000・1500・2050・2500・2550番代とたくさんの区分が設定されています。
とは言っても、仕様上ではこれだけでは収まらないので、
・1,250PSの機関(エンジン)DML61ZAを搭載する初期形か?
・1,350PSのDML61ZBを搭載する後期形か?
・ラッセルヘッドが複線用なのか、単線用なのか?
・客車(今で言う旧形客車のこと)を牽引するときに必要な蒸気暖房装置(SG)を搭載しているのか?
・ラッセルヘッドは改造したものを取り付けているか?
など、それぞれの仕様に応じた番代が区分されました。
でも、JR貨物にとって車両管理上で重要なのは機関車本体のエンジンとSGの有無くらいなので、SGを搭載する改造編入車をDE10形3000番代に、SGの代わりに死重を積んだSGなしの改造編入車をDE10形3500番代として番号を整理しました。
いずれも1,350PSエンジン(DML61ZB)を搭載しているので、DE10形の後期形(1000・1500番代)と同時期に製造された機関車です。
JR貨物はSG付きのDE10形1000番代とSGなしのDE10形1500番代を所有していますが、旧形客車を牽引することがないのでSGなしのDE15形1500・2500番代だけを購入したかったと思いますが、所要両数の関係からSG付きの DE15 1001 を改造した DE10 3001 が1両だけDE10形3000番代として生まれました。
DE15形1000番代はすでに区分消滅しており、DE10形3000番代は今後増える可能性がありませんので、絶対に撮っておきたい車両なのですが、こちらはあまり稼働していないようなので撮影できるか微妙な状況です。
種車のDE15形はもともとDE10形をベースに作られた除雪車でしたので、DE10形3500番代はオリジナルの1000・1500番代とほとんど同じで見分けが付きません。
写真の DE10 3511 はナンバープレートが白色なので分かりやすいですが、これは3500番代共通の仕様ではありません。
でも、DE15形はラッセル部分(前頭車)との密着連結器がナンバープレート下部と端梁の左右の合計3ヶ所にあったため、第1エンド側のボンネット正面の点検蓋が小さく、尾灯の取付位置が両端にそれぞれ寄っています。
これらの違いが分かるようにオリジナルの DE10 1563 と DE10 3511 の拡大写真もアップしておきます。
DE10 1563の第1エンド側(拡大写真)
DE10 3511の第1エンド側(拡大写真)
どうでしょうか?
指摘されないと分からないような違いですが、全国各地にほとんど同一仕様の車両が配置されていたからできた転用改造だった、今回はそういう改造例を目の当たりにした、という話しでした。
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