中央快速線に連結されるトイレ付きの2階建てグリーン車(サロE233-1)
先月(2023年10月)末に、J-TREC横浜事業所で落成した2階建てグリーン車8両が配置区の豊田車両センターに甲種輸送されました。
前回、中央快速線用として12年ぶりに増備されたトタT71編成を採り上げたときに触れましたが、2階建てグリーン車の新造が本格的に進み始めました。
10両貫通編成(T編成)と6+4両の分割編成(H編成)のうち合計57編成がグリーン車組み込み準備改造が対象となっていますが、現在は53編成が改造を完了しており、T32・T34・T35編成の3本が車両工場に数ヶ月間入場中です。もし、この3編成に準備改造が施工されると改造済みの編成は56本となります。
一方、今のところ未改造の編成は、10両貫通編成のT41・T71編成と6+4両分割編成のH49・H51編成の合計4本のみ。
となると、この3編成のうち1編成が車両工場に入場し、グリーン車組み込み準備改造が終わったら既存車両側の準備が完了します。
順調に進めば、年度内に準備完了といったところでしょうか?
現在、2階建てグリーン車の新造はどんどん進んでいますが、中央快速線へのグリーン車組み込みはE231系(高崎線・東北本線上野口)やE531系(常磐線)のときのような車両の差し替えではありません。
E231系やE531系のときのように編成内の“サハ”をグリーン車“サロ”に順次置き替えて、グリーン車が出揃う時期までグリーン車を無料開放すればいい、とはいきません。
中央快速線の場合は編成両数が10両から12両へと変わるので、組み込み作業が完了するまではグリーン車の有無で運用を分けないと混乱が生じます。
となると、現在の横須賀・総武快速線のE217系から後継車E235系(1000番代)への置き替えのように、あらかじめ車両運用を数日単位で完結するブロックに分けておいて、新らしい編成が数本揃ったら一つの運用ブロックを置き替える。そして、これを置き替え完了まで繰り返す、というのが現実的なグリーン車組み込み方法になると思います。
グリーン車の組み込みは準備改造済みの編成を一度解結してグリーン車2両を挿入するので、組み込み作業を行うスペースは必要になるし、グリーン車の留置場所も確保しないといけない。しかも、通常の車両運用に並行して行わないといけません。
しかも、10両編成の予備は209系1000番台の2本を含めて7本しかないので、車両編成のやり繰りはかなり困難なことになるでしょう。
早期落成した2階建てグリーン車の サロE233-1・サロE232-1 を6+4両分割編成のH57編成に組み込んだときの流れをイラストにしてみましたが、これを合計57編成が出揃うまで続けることになるのです。
すごいですよね〜
E233系 H57編成へのグリーン車組み込み
上の図をクリックすると大きく表示されます。
中央快速線仕様の2階建てグリーン車は、東京駅での折り返し時間の短縮のためドアを片開き式から開口幅の広い両開き式に変更、そして自動でリクライニングシートを回転させて向きを変える装置を導入しました。
接客サービス面では、すべての座席のひじ掛けに電源コンセントを設置しており、室内でWi-Fiが無料利用できるようにするそうです。
ブラインドが下りていたので心の中でボツにしていましたが、まあまあきれいな形式写真が撮れていましたので、今回は昨年(2022年)9月に東海道本線の試運転のときに撮影した2階建てグリーン車をアップしたいと思います。
4号車に連結されるトイレ付きの サロE233-1(八トタ)です。
サロE233-1(八トタ) 2022年9月7日 国府津駅
上の写真をクリックすると大きな写真が表示されます。
両開きドアを採用しているため戸袋スペースが必要なため一部を狭窓にしていること、そして定員を増やすために2階建て部分を広く取っている関係で、従来のサロE233形3000番代と窓配置が異なります。
また、2階建て部分が広いうえに車体を長くしているので、台車間距離もその分長くなっています。
詳細は鉄道趣味誌の新車ガイドに掲載されないと分かりませんが、いろいろな部分で車両設計者の苦労が感じられます。
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