E233系で唯一の稀少形式区分 モハE232形3200番代(モハE232-3202)
JR東日本のE233系は、E231系の改良版として2006(平成18)年から製造された通勤形および近郊形電車です。
投入路線ごとに仕様を変更しながら増備されてきたので番代区分が多いのが特徴で、活躍する路線が多くなった現在はE233系全体を把握するのが困難なくらい雑多な系列になりました。
ざっと番代区分と投入線区を羅列するだけでも以下のようになり、これまでに4,000両以上のE233系車両が製造されました。
0番代(中央線快速・青梅線・五日市線など)
1000番代(京浜東北線・根岸線)
2000番代(常磐緩行線・東京メトロ千代田線)
3000番代(東海道本線東京口・東北本線上野口・高崎線など)
5000番代(京葉線など)
6000番代(横浜線・根岸線)
7000番代(埼京線)
8000番代(南武線)
ほとんどのE233系は、短い期間に20X・211系などを置き替えてきたので、1つの番代区分の中で大きな仕様変更は見られません。
しかし、東海道本線東京口・東北本線上野口・高崎線用として投入された近郊形のE233系3000番代は車両需給の関係で投入時期が長く、しかも増備途中で方針変更にともないトイレ付き車両の組み込み位置が変更されたため、途中で製造をやめてしまった形式区分が出てしまいました。
これは、東海道本線(東京口)・伊東線の113系置き替えのために国府津車両センター(横コツ)に転入していたE217系が、横須賀・総武快速線の予備車不足や増発のために再び鎌倉車両センター(横クラ)に戻るやりとりが2度にわたって行われ、その補充分として製造されたのがE233系3000番代の始まりだったからです。
このときに落成したのが 基本編成10両 + 付属編成5両 のそれぞれ2本で、2007(平成19)年と2010(平成22)年に横コツに配置されました。
コツE-01編成(基本)、E-02編成(基本)、E-51編成(付属)、E-52編成(付属)です。
当時、横コツの配置はほとんどがE231系でしたので、少数派のE233系3000番代はE217系と共通に細々と運用されていました。
その後、田町車両センター(東チタ)の211系と高崎車両センター(高タカ)の211系を置き替えるためにE233系3000番代がまとまって投入されましたが、中間車のトイレ付き車両の組み込み位置が横コツ配置車ではなく小山車両センター(宮ヤマ)のE231系に合わせられたため、2011(平成23)年以降に増備されたE233系3000番代の第3編成(現在のコツE-03編成)以降は10両基本編成の構成が変わってしまいました。
その結果、コツE-01・E-02編成の8号車に組み込まれていた空気圧縮機(CP)付きのモハE232形3200番代(M’)は、2011(平成23)年以降の増備編成ではCP・トイレ付きに変更されてモハE232形3800番代(M’)となったため、モハE232形3200番代は2両のみの稀少区分車となりました。
逆に、モハE232形3800番代は第3編成(現在のコツE-03編成)から製造されたたため、モハE232-3801・3802 は欠番となってしまいました。
* * *
2010(平成22)年以前に新製されたE233系3000番代は初期形として区別することができますが、上野東京ライン(東京〜上野間)の開業まではE217系とともに東海道本線東京口で共通運用されていたため、好条件で形式写真を撮ることができませんでした。
しかし、今年(2015年)の3月以降は上野東京ラインを通じて東北本線や高崎線にも乗り入れるようになったので、できるだけ早い機会に撮っておこうと思っていました。
でも、こんどはE231系3000・8000番代と共通運用になったので、撮影可能な駅に入るタイミングを図るのが大変になってしまいました。
E233系3000番代初期車の運用を追いかけるにしても、こちらの都合があるのでいつでも撮れるわけではありません。
お天気のこともありますし…
そんなときに宇都宮駅の留置線で長時間停車する運用にコツE-02編成が入ってくれたので、宇都宮に行く途中の久喜駅で モハE232-3202 を撮ることができました。
しかも、曇りの日に…
外観上これといった特徴はありませんが、2両しか存在しないモハE232形3200番代のうちの1両なので、今回は モハE232-3202(横コツ)をアップすることにいたします。
モハE232-3202(横コツ) 2015年9月26日 久喜駅
上の写真をクリックすると大きな写真が表示されます。
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