浮世絵の景色を見に薩埵峠を訪ねました(写真は東海道本線の クモハ313-2515)
自宅のある大和市つきみ野(神奈川県)は富士山が見えません。
近所の歩道橋を登れば丹沢山地の向こうに山頂だけ見えますが、富士山らしい稜線まではちょっと…
こういう地に住んでいるからか、富士山に対して特別な感情があります。
10歳まで住んでいた東大宮(撮影地で有名なヒガハスの線路沿いの団地)は富士山がよく見えたので、余計にそういう気持ちなるのかも知れません…
アニメ「ゆるキャン△」で登場人物の誰かが、海なし県(山梨県のこと)に住んでいると海に対して並々ならぬ思い入れがある、みたいなセリフがありましたが、似たようなものでしょうね。
1年に1回くらい、空気のきれいなときに富士山を見たい!
そう思っていているからか、最近はキャンプなどで静岡方面に出掛けていますが、残念ながらいつも雲が掛かっています。
そういう気持ちがあったので、1シーズン前の話しですが、奥さんを誘って富士山を見るために旧東海道の難所、静岡県静岡市清水区にある薩埵峠(さったとうげ)へ行ってきました。
まだ、冬の青春18きっぷ利用期間、1月8日のことです〜
保永堂版「東海道五十三次」 由井 薩埵嶺
歌川広重(1797~1858)の浮世絵「東海道五十三次」で有名な峠道です。
現在も、東海道本線の由比(ゆい)駅と興津(おきつ)駅のあいだに旧東海道は残っており、峠超えの部分はクルマの入れない遊歩道になっています。
今回は西側の興津駅で下車し、峠超えを含む約7kmをハイキングして由比駅に戻ってくるコースにしました。
もし余力があったら、“東海道広重美術館”に立ち寄りたかったからです。
興津駅
歌川広重(うたがわひろしげ)の浮世絵、東海道五拾三次で描かれた“由井宿 薩埵嶺”の景色を実際に見るには、興津駅を下車してから国道1号線を北東へ進めばいいだけです。
旧街道時代は渡し舟を使って興津川を越えていたので、旧東海道は川超えしてから内陸に入るルート(下地図の赤点線)だったようです。
しかし今回は、クルマの往来が多い国道よりも線路に近い細い路の方がいい雰囲気だったのと、最短ルートで早く薩埵峠に行きたかったので、下地図の青点線のルートを選択しました。
興津駅から薩埵(さった)峠までのルート 〈地理院地図に散策ルートなどを追記して作成〉
上の地図をクリックすると大きく表示されます。
興津側の駐車場を越えると、いきなり険しい遊歩道。
一気に標高90mくらいまで上ると視界が開けて、富士山がきれいに見えるビューポイント。
少し雲が掛かっていますが、浮世絵の世界です〜
こんどは、足元で東海道本線と東名高速道路が交差する迫力のある景色を見るぞ!と薩埵峠展望台に向かいましたが、展望台の近く(下地図の“×”部分)で崩壊が発生したため、現在は通行止めで展望台まで行けないことが判明。
あと数分で展望台に到着、というところなのに… です。
数人が腰掛けられる休憩所“あずまや”で作戦会議。
結局、興津駅には戻らず、迂回路(下地図の赤点線)を経由して由比駅を目指すことにしました。
薩埵(さった)峠の崩落箇所と迂回ルート 〈地理院地図に散策ルートなどを追記して作成〉
上の地図をクリックすると大きく表示されます。
迂回路は標高約80mから約50mまで一気に降りる細い道で、普段は使わないような鬱蒼とした森の中を進むルートでした。
東名高速道路の近くからはクルマも通れるような山道になりましたが、こんどは降りた分だけ登らないと由比側の駐車場へは行けません…
心の折れる辛いルートを踏破しましたが、迂回の案内のとおり薩埵峠展望台へは行けませんでした…
駐車場のベンチで休憩してから由比駅に向かいましたが、駅に向かって標高が下がっていくので浮世絵のような景色は見られませんでした。
でも、富士山はきれいでしたけどね〜
興津駅から由比駅まで約7kmを歩きましたが、想定外の迂回ルート踏破で心身とも疲れたので、東海道広重美術館は断念…
由比駅前の“お食事処あおぞら”で桜えび定食を食べましたが、サクサク揚げたての桜えびかき揚げが絶品。
すっかり元気を取り戻しました。
でも、今回は東海道広重美術館は諦め、きっちり時間を作って再訪することに決めました。
もちろん、“お食事処あおぞら”の桜えび定食とセットでね〜
* * *
今回は、薩埵峠に因んだ形式写真をアップしたいと思います。
あまり捻りはありませんが、薩埵峠の足元を走っている東海道本線の313系2500番代の制御電動車(Mc)、クモハ313-2515(静シス)です。
クモハ313-2515(静シス) 2018年3月19日 金谷駅
上の写真をクリックすると大きな写真が表示されます。
前回アップした名古屋地区の313系1500・1600・1700番代と同様の3両編成ですが、基本的に静岡地区はロングシート車を導入しているので、2500番代はオールロングシート車です。
そのため、転換クロスシート車の1500・1600・1700番代とは窓ガラスの割り付けが違います。
暖地仕様のため1500・1600番代と同様にスノープラウは省略されていますが、ドアの開閉は1500・1600番代と異なり押しボタン式を採用しています。
313系2500番代に発電ブレーキを取り付けた山間線区の2600番代も東海道本線で使用されています。
313系1500・1600・1700番代と同じように編成表をまとめると下図のようになります。
静岡車両区に配置されている313系3両編成
上の図をクリックすると大きく表示されます。
沼津駅の高架化工事が始まるようなので、撮影場所がなくなる前に静岡地区の313系を撮り直ししないとね〜
静岡には、3両編成の313系2500・2600番代のほかに2両編成の2300・2350番代(オールロングシート車)と3000・3100番代(セミクロスシート車)もいますからね。
そうそう、元「セントラルライナー」用の3両編成の8000番代(転換クロスシート車)もいましたね、忘れてました。
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