函館地区で活躍するキハ40形700番代初期車(キハ40 839)
昨年(2014年)と同じように今年も新幹線開業で影響を受けそうな車両を撮るのに奔走しております。
成長がないですね…
昨年5月以来、何度か北海道に遠征していますが、とにかく行くたびに晴ればっかりで失敗。
直接影響がありそうな車両については、ほとんど形式写真が撮れませんでした。
このままでは真冬に突入し、雪の中、芸術的な写真しか撮れなくなりそうなところまで切羽詰まってきました。
そんな矢先、こんどは奥さんが今朝(11/23)からしばらく海外出張に。
いよいよ手詰まりか… と、諦めかけていたところ、彼女の出張出発直前の数日間が曇り予報で固まってきたので、急遽、北海道に遠征することにしました。
北海道新幹線の新函館北斗開業なんて何年も前から分かっていたことですが、結局、いつものようにギリギリ。
最終日の昨日(11/22)は雪に翻弄されましたが、だいたいの撮影地では雪が降り始める前に何とか撮ってきました。
で、昨晩帰ってきました。
* * *
今回の遠征は道南・道央のリベンジだけに拘りたくなかったので、これまでのような東北新幹線の往復(北海道全線フリーきっぷ)や直前予約可能な新千歳往復のツアーはやめて、天気予報と睨めっこしながら行きと帰りの飛行機をその都度予約する贅沢なスタンスで行ってきました。
道内の移動も、何処に撮りに行くのか、いつ帰るか直前まで定まらなかったのでJR北海道の“北海道フリーパス”。
道内の特急列車が乗り放題、5回まで普通車の指定席に乗れますから、“北海道ワイド周遊券”の時代よりも豪華な遠征でした。
遠征初日(11/17)は函館。
函館空港に着いてからバスで函館駅に移動。撮影はそれからです。
今回はロケハンを兼ねて行動したので撮影枚数は稼げませんでしたが、9月に訪れたときより雑草が落ち着いていたので函館運輸所(函ハコ)を入出庫するキハ40形700番代が撮れました。
今回はその中の1枚をアップしたいと思います。
函館本線函館〜長万部間と江差線で使用されている初期形のキハ40形700番代、函館運輸所(函ハコ)の キハ40 839 です。
函ハコのキハ40形700・1700番代はほとんどがベース色がクリーム色から灰色に塗り替えられていますが、この キハ40 839 はまだ塗色変更を受けていません。
また、函ハコの未更新車(キハ40形700番代)は最近になって屋根上の水タンクが撤去されていますが、キハ40 839 は水タンクが残存する数少ない未更新車です。
数年前までは函ハコで当たり前に見られた外観のキハ40形ですが、現在ではかなり珍しい形態となってしまいました。
キハ40 839(函ハコ) 2015年11月17日 函館駅付近
上の写真をクリックすると大きな写真が表示されます。
キハ40形は、昭和50年度第3次債務の予算で極寒地(北海道)向けの100番代(キハ40 101〜116)が先行して1977(昭和52)年2〜3月に製造されました。
両開きドア片運転台車の キハ47 1〜16 も同時期に製造されたグループです。
このグループは1978(昭和53)年以降に増備された一般的なキハ40系とは仕様が異なる部分が比較的多く、外観で分かる簡単な特徴としては、キハ40 101〜116、キハ47 1〜16 はともにキハ66系に類似した形状の開口部の端部が角張った形状のスカートを装備しています。
さらに、キハ40 101〜116 は117番以降と2人掛けの座席の配置が異なるため、狭窓が写真のように両端の戸袋横に配置されています。
非公式側(2-4位側)を撮影した キハ40 789 と比較してみれば分かりますが、キハ40 789 は中途半端な位置に狭窓が配置されています。
この他に、キハ40 101〜116 はペデスタル式の空気バネ台車のDT42(従台車はTR227)を履いていますが、増備車の キハ40 117〜150 は軸バネに雪が詰まりにくいように円筒案内式のDT44A(従台車はTR227A)に変更されて構造が大きく変わりました。
キハ40形100番代初期車の キハ40 101〜116 は、現在はワンマン運転対応工事により700番代の キハ40 826〜841 に改番されています。
キハ40形700番代は改造施工順で付番されたため、改造後の番号と原番号との対照が困難となっていますが、初期車の16両については仕様が異なるためなのか、改番後も原番号の順番できれいに並んでいます。
因みに、キハ40 701 の種車は キハ40 239 です。
これは、JR北海道のキハ40形投入線区のうち真っ先にワンマン運転を開始したのが石勝線(南千歳〜楓・新夕張〜夕張間)と留萌本線で、石勝線を受け持つ苫小牧運転所(札トマ)の キハ40 239 がたまたまキハ40形700番代のトップナンバーの種車に選ばれただけという話しです。
しかし、初期車の16両についてはきちんと原番号順に改番されていますので、現在の番号から“725”を差し引くと種車の番号が分かるようになっています。
今回アップした形式写真は キハ40 839 ですから、“839 – 725 = 114”。
つまり、キハ40 839 の種車は“キハ40 114”だということがすぐに分かります。
これは、客室の狭窓が両端に配置されていて、台車がDT44(TR227)で、先頭部のスカートの切り欠きが角張っているキハ40形700番代にしか適用できません。
でも、豆知識として覚えておいても損はないと思います。
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