スカ色のモハ114形300番代(モハ114-344)
前回(7/6)に引き続き手前側に引き通しがある形式写真をアップします、中央本線で最後の活躍をしている豊田車両センター(八トタ)の モハ114-344 です。
モハ114-344(八トタ) 2013年6月30日 小淵沢駅
上の写真をクリックすると大きな写真が表示されます。
以前にも書きましたが、国鉄/JR電車の中間車は基本的に“奇数設計”となっています。
これは、各車両の引き通しが必ず山側に設けられ、ブレーキ関係の配管も山側に取り付けられた設計であることを意味しています。
この“山側”という言葉がくせ者で、東海道本線を基準にして便宜上呼んでいるので、走る車両/編成の向きが所属区所によって異なる場合があります。
今回アップした115系に関連する中央本線を例に運用されている車両の向きをイラストにしていましたので、ちょっと見てみてください。
路線と車両/編成の向きの関係(東海道本線&中央本線編)
いわゆる中央東線と呼ばれている中央本線新宿〜塩尻間で運用されているJR東日本の車両の所属区所は豊田(八トタ)、松本(長モト)、長野(長ナノ)ですが、いずれの区所も新宿方を奇数向きに編成が揃えられています。
同じ中央本線でも中央西線と呼ばれる名古屋〜塩尻間は、名古屋からほど近い神領車両区(海シン)に配置されたJR東海の車両で運用されています。
海シンの車両は東海道本線の名古屋を基準として向きが決められているので、篠ノ井線の松本・長野までJR東海の383系や313系が乗り入れると、これらの車両は篠ノ井線内ではJR東日本の115系とは編成の奇数・偶数の向きが逆になります。
一方、JR東海の飯田線飯田以北と中央西線中津川以北は、JR東日本の115系が乗り入れていますが、これらの区間では115系編成の向きはJR東海の車両とは逆です。
定期列車ではないですが、土休日に設定されている横浜〜松本間の臨時特急「はまかいじ」は今年3月に田町車両センター(東チタ)から大宮総合車両センター(宮オオ)に移管された185系で運用されていますので、中央東線内では八トタの115系や長モトのE257系・E351系とは逆向きになっています。
このように広域で電車が運用されると編成の奇数・偶数の向きが揃わなくなってきます。
でも、お互い逆向きの編成が併結するような運用がなければまったく問題ありませんので、このような例は各地にあります。
しかし、車両トラブルなどで動けなくなったときなどは救援に行ける車両が限られる場合があるので、このような区間に乗り入れるときは相手先のエリアで昼寝をするなど、余裕を持たせた運用で走らせているような印象があります。
* * *
特定の車両の写真を撮影するときにどちら側にパンタグラフがあったっけ?って悩むときがあります。
形式写真は“公式側(2-4位側)を撮るべき”とか、“前位側から撮るべき”という考え方がありますが、私の場合は特徴側を撮るように心掛けているので、路線の奇数向きを確認したうえでそれぞれの車両の向きを考えて撮るように心掛けています。
撮影場所に行ったら、まずは中間車のブレーキ関係配管の有無を確認し、路線の奇数向きがどちらなのかを把握してみては如何でしょうか?
中間車に近づいて、下のような3本の配管と3色の締切コックを確認すればいいだけですから…
モハ114-344の4位車端部
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